賞金総額100万円以上。海外インフォグラフィック・アワード紹介

海外で今年開催されたインフォグラフィックやデータ・ビジュアライゼーションに関するアワードを3つ紹介します。

Information is Beautiful Awards 2012

Information is Beautiful Awards 2012 インフォグラフィック コンペ
Information is Beautiful Awards

世界初のデータ・ビジュアライゼーションとインフォメーション・デザインのアワードと銘打って開催されました。

Hello and welcome to the world’s first global awards for data visualization and information design.

主催したのは、データ・ジャーナリストでインフォグラフィック・デザイナーのDavid McCandless氏。スポンサーは、KANTAR(参考までに、Kantar Japan)。

同氏の作品は書籍「The Visual Miscellaneum」(Amazonで見る)やサイト「Information is Beautiful」で見れます。
データや情報の関係性を必要以上に飾らずにシンプルに提示するのが特徴です。

TEDにも登壇。
デビッド・マキャンドレス 「データビジュアライゼーションの美」

「Information is Beautiful Awards 2012」の審査は同氏のほか、インフォグラフィックやデザイン・アートに造詣が深いメンバーで構成されています。

審査員
Information is Beautiful Awards 2012 審査員
・音楽家 ブライアン・イーノ
・MOMA美術館シニア・キュレーター
・英ガーディガン紙「datablog」編集者
「BrainPickings.org」「Exp.lore.com」ブロガー
・Kantarのクリエイティブ・ディレクター

開催告知から受賞者発表まで半年以上かけて行われました。

スケジュール
・開催告知・・・2月24日
・応募締切・・・5月31日
・一次選考発表・・・7月23日
・二次選考発表・・・8月6日
・受賞者発表・・・9月27日

各部門別に賞金が設定されており、最優秀賞(ULTIMATE AWARD)で$5,000(1ドル=80円で計算すると、40万円)です。

賞金総額
$30,000(1ドル=80円で計算すると、240万円)

メインとなる部門賞は6つ。

部門
・Data Journalism
・Interactive Visualisation
・Data Visualisation
・Infographic / Infodesign
・Motion Infograhpic
・Tool or Website

最優秀賞に選ばれたのは、次の作品です(データ・ジャーナリズム部門ゴールドとダブル受賞)。

最優秀作品
CNN Home & Away インフォグラフィック コンペ 最優秀賞
CNN Home & Away

CNNサイトのコンテンツで、アフガニスタン戦争・イラク戦争のアメリカ兵死傷者に関する視覚化をしています。

画面左のアメリカ地図上に表現されているのは、兵士の出身地です。
地図上の円をクリックすると、写真や名前、出身地に関する情報が表示されます。
連動して、右側のアフガニスタン地図で死傷場所の円がクローズアップされます。

フッターの棒グラフをクリックすることで、年齢、時期や出身地による絞り込みができます。

インフォグラフィック コンペ 受賞作品 CNN 絞り込み機能

一番左の年齢別グラフを見ると、20代前半がピークとなっています。

見ているとつらい気持ちになる作品です。

ほかの受賞作品リストはこちらをご覧ください。

「Information is Beautiful Awards 2012」以外に僕が知っている今年開催された海外インフォグラフィック・アワードは次の通りです。

Visualizing Global Marathon 2012

Visualizing Global Marathon 2012 インフォグラフィック コンペ
Visualizing Global Marathon 2012

インフォグラフィック投稿共有サイト「visualizing.org」が主催。
学生向けにMeetupイベント(11月9日~11日)と連動して行われました。

イベントは全56時間、全体の流れは次の通りです。

全体の流れ
1.キックオフ
2.課題・テーマの探索
3.トピックの選定
4.ブレインストーミングとスケッチ
5.集中(Focus Project)
6.ビジョン絞り込み(Refine Vision)
7.成果物アップロード

インフォグラフィック制作フローの参考になります。

38ヵ国、176大学から約1,000名の学生が参加したそうです。
残念ながら、日本からの参加はない模様(参考)。

Visualizing Global Marathon 2012 参加者 学生

受賞作リストはこちらをご覧ください。

スポンサーはGE、Google。
賞金総額は、$15,000(1ドル=80円で計算すると、120万円)。
各賞受賞者には、$1,500~2,500の賞金が出たようです。

最後に紹介するのは、英エコノミスト紙とニールセン共催のコンペです。

The Economist-Nielsen Data Visualization Challenge

The Economist-Nielsen Data Visualization Challenge
The Economist-Nielsen Data Visualization Challenge

101ヵ国から約4,000チームの参加があったようです。
最優秀作品は、12月8日ニューヨーク開催の「The Economist World in 2013 Festival」で発表(本記事を書いている時点で受賞者が誰か載っているソースを見つけられませんでした)。

賞金については、こちらの記事末尾に次のようにあります。

As a Solver, you can apply your expertise to important problems, stretch your creative boundaries, and win cash awards ranging from $500 to $1,000,000.

100万ドルがどのような形で得られるのかは不明ですが、大規模なコンペであることがわかります。

今回紹介したアワードの概要や受賞作品を見ると、インフォグラフィックの中でも、データ解析やジャーナリズム寄りの視覚化表現が栄えてきていると感じます(本記事タイトルではわかりやすさのために、インフォグラフィック・アワードと書きました)。

デザイン偏重のインフォグラフィックは目を惹き、面白いのですが、単なるマーケティング・ツールとして「インフォグラフィック」がトレンドとなるよりも、解析や情報伝達のためのツールとして注目を浴びていくと健全だなと思いました。

その場合、ActionScriptやJavascript、Processingといった言語を扱える人にとって、格好の活躍の場となるかもしれません。

プログラミングに関心がある人なら次の2冊がおすすめです。

プロフィール

櫻田潤
櫻田 潤(さくらだ・じゅん)

プログラマー、システムエンジニア、ウェブデザイナーを経て、2010年よりビジュアルシンキングを運営。あわせて、インフォグラフィックのデザインも始める。2014年、NewsPicksにインフォグラフィック・エディターとして参画。ビジュアルを用いた記事を多数、執筆デザイン。2017年よりNewsPicksの全体クリエイティブを統括。著書に『たのしい インフォグラフィック入門』『シンプル・ビジュアル・プレゼンテーション』