【ドラッカー図解】責任と保障

ドラッカー著『マネジメント【エッセンシャル版】』を図解するシリーズ。シリーズ目次はこちら

前回の記事では、XY理論に基づく「アメとムチ」方式や「権限委譲」方式によるマネジメントと、「責任の組織化」方式によるマネジメントについて図にしました。

今回は、働く人が「責任」を負うためには、前回紹介した「尊敬」以外に何が必要か、まとめます。

ドラッカーは、働く人に「責任」を持たせるには、「保障」が必要であると述べています。

仕事と収入を失う恐れがあるなかで、仕事や集団、成果に責任を持つことはできない。
責任の重荷を負うためには、仕事と収入の保証がなければならない。
(中略)
給与を払い続けても、現実に仕事を与えなくては失業と同じ不安を与える。

図41: 2つの保障

ドラッカー「マネジメント」図解41

「収入の保障」は数値で現せます。一方、「仕事の保障」を数値化するのは困難です。

管理する側が「仕事」を与えているつもりでも、働く側がそうは考えていない場合、「仕事の保障」は機能しません。

たとえば、働く人の将来性を考えて、意図的にその人の「意思」や「想い」から外れた「仕事」を与える場合などは、十分な話し合いと相互理解が必要になってくるでしょう。

責任を負うのに相応しい仕事とは、「働きがい(やりがい)を感じる仕事」のことです。仕事に働きがいを与えるには、次の図で挙げる3つの条件を職場に持たせます。

図42: 働きがいを与える3つの条件

ドラッカー「マネジメント」図解42

職場に3つの条件を整備することの責任はマネジメントが負いますが、それらを作り上げるには、働く人たちの参加が求められます。

これら三つの条件すべてについて、実際に仕事をする者自身が始めから参画しなければならない。
仕事、プロセス、道具、情報についての検討に始めから参加しなければならない。
彼らの知識、経験、欲求が、仕事のあらゆる段階において貴重な資源とならなければならない。

上の文章でドラッカーは「始めから」を強調していますが、働く人たちが良い具合に参加してくれるかどうかは、マネジメントの手腕が問われるところだと思います。

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プロフィール

櫻田潤
櫻田 潤(さくらだ・じゅん)

プログラマー、システムエンジニア、ウェブデザイナーを経て、2010年よりビジュアルシンキングを運営。あわせて、インフォグラフィックのデザインも始める。2014年、NewsPicksにインフォグラフィック・エディターとして参画。ビジュアルを用いた記事を多数、執筆デザイン。2017年よりNewsPicksのクリエイティブを統括。著書に『たのしい インフォグラフィック入門』『図で考える。シンプルになる。』ほか。