特別企画

【ドラッカー図解】マーケティングとイノベーション

本記事は、2010年4月公開の記事をアップデートした内容です。

ドラッカー著『マネジメント【エッセンシャル版】』を図解するシリーズ。シリーズ目次はこちら

前回は、企業活動の目的「顧客の創造」の意味を図解しました。
今回はその目的のために必要な2つのアプローチ「マーケティングとイノベーション」についてまとめます。

はじめに

マーケティングとイノベーションはともに顧客の欲求に応えるものですが、それぞれ起点が異なります。
まず「マーケティング」は、すでに顕在化している欲求を満足させて、需要に変える動きです。

ドラッカー図解 マーケティング

それに対して「イノベーション」は顧客自身が気がついていない欲求を創り出して、新しい需要をつくる動きです。

ドラッカー図解 イノベーション

それぞれをもう少し見ていきましょう。

マーケティングとは

マーケティングのプロセスは顧客の欲求から始まります。
欲求に対して満足してもらえるような価値を提供するのがマーケティングです。

ドラッカー図解 マーケティングとは 2

顧客は求めていた製品・サービスが目の前に提示されるので自然と買いたい気持ちになります。よって、ドラッカーはマーケティングは販売をなくすものであると述べています。

真のマーケティングは顧客からスタートする。(中略)「われわれの製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」と言う。
(中略)
マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。(『マネジメント【エッセンシャル版】』より)

イノベーションとは

イノベーションはマーケティングのように顕在化した欲求に応えるのではなく、まだ顧客が気がついていない欲求そのものから生み出すものです。古くはソニーのウォークマン、グーグルの検索エンジン、アップルのiPhoneなどがそれに当たります。

これらの登場により、人々は新たな欲求に気がつき、生活や行動を変えました。

ドラッカー図解 イノベーションとは 2

企業の第二の機能は、イノベーションすなわち新しい満足を生みだすことである。経済的な財とサービスを供給するだけでなく、よりよく、より経済的な財とサービスを供給しなければならない。企業そのものは、より大きくなる必要はないが、常によりよくならなければならない。(『マネジメント【エッセンシャル版】』より)

イノベーションは、技術の発明にはとどまりません。既存の技術やアイデアに新しい用途、価値を見つけるのもイノベーションです。

たとえばスティーブ・ジョブズはiPhone発表の際、「電話の再発明」と語りました。すでにある3つの役割「iPod」「携帯電話」「インターネット端末」を一体にし、電話を電話以上の存在に変えたのでした。

マーケティングとイノベーション

「マーケティング」と「イノベーション」、この2つのアプローチによって、企業はその目的である新たな顧客(市場)の創造を果たせます(「顧客の創造」については前回記事参照)。

ドラッカー図解 マーケティングとイノベーション

今回のまとめ

ドラッカー図解 マーケティングとは 3

ドラッカー図解 イノベーションとは 3

つづきを読む

次回は、マーケティングとイノベーションの成果を左右する生産性についてまとめます。
次の記事:【ドラッカー図解】生産性を上げる、6つの視点

【ドラッカー図解】シリーズ目次

プロフィール

櫻田潤

櫻田 潤

プログラマー、システムエンジニア、ウェブデザイナーを経て、2010年よりビジュアルシンキング運営開始。2014年12月よりNewsPicks編集部でインフォグラフィックス・エディターとして記事執筆。研修・インベント講師や書籍執筆も行なっている。著書に『たのしいインフォグラフィック入門』ほか。

29 Jul, 2016