【ドラッカー図解】マネージャーと専門家

ドラッカー著『マネジメント【エッセンシャル版】』を図解するシリーズ。シリーズ目次はこちら

前回の記事では、「弱み」よりも「強み」を伸ばすことの大切さを図にしました。今回は「マネージャー」と「専門家」の関係についてまとめます。

「専門家」の知識を組織の成果に結びつけるのが「マネージャー」です。

「専門家」の強みは専門知識にあります。その強みを活かすには、専門知識を組織の他の人にも理解できるように伝えなくてはなりません。

しかし、例外も勿論ありますが、「専門家」の話ほど伝わりにくいものはありません。「マネージャー」は「専門家」の使う難しい言葉を翻訳して、分り易い言葉で組織全体に伝える役割があります。また、反対に、組織の目標や意図を「専門家」に正しく伝える役割もあります。

図45: マネージャーと専門家の関係

ドラッカー「マネジメント」図解45

たとえば、システム開発において、専門家にあたるのは「プログラマー」や「ネットワークエンジニア」と呼ばれる人たちです。それに対し、顧客企業や組織と「専門家」を結びつける「システムエンジニア」はマネージャーとして機能する必要があります。

では、「プログラマー」の昇進した先が「システムエンジニア」なのでしょうか。選手として、実績のあるスポーツ選手が、指導者として優れていると言い切れないように、残念ながら優れた「プログラマー」が必ずしも優れた「マネージャー」とは言えません。

にも関わらず、「専門家」を一般的な昇進ルート(管理職こそ上級という考え)に組み込んでしまった場合、それは本人にとって、組織にとって、不幸です。組織は働く人たちの「強み」を活かすことが難しくなります。したがって、「専門家」には別の昇進経路が必要です。

図46: マネージャーになる以外の昇進経路

ドラッカー「マネジメント」図解46

これは営業職であっても同じことが言えると思います。優れた営業成績の実績を持つ人が必ずしも優れた「マネージャー」となり、機能するとは限りません。

ある局面で「強み」を最大限発揮できる人には、「専門家」として昇進させることも考えてあげる必要があると思います。

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プロフィール

櫻田潤
櫻田 潤(さくらだ・じゅん)

プログラマー、システムエンジニア、ウェブデザイナーを経て、2010年よりビジュアルシンキングを運営。あわせて、インフォグラフィックのデザインも始める。2014年、NewsPicksにインフォグラフィック・エディターとして参画。ビジュアルを用いた記事を多数、執筆デザイン。2017年よりNewsPicksのクリエイティブを統括。著書に『たのしい インフォグラフィック入門』『シンプル・ビジュアル・プレゼンテーション』