プレゼンテーション・デザインとインフォグラフィックの関係

インフォグラフィック・デザイナーが活躍の幅を広げています。
インフォグラフィック・デザインのリーディング・カンパニー『Column Five』が手がけるSlideShareを使った事例を紹介します。

インフォグラフィック・デザイナーによるプレゼンテーション・デザイン

海外でインフォグラフィック・デザイナーの仕事の一つになってきているのが「プレゼンテーション・デザイン」です。

インフォグラフィックは、情報を整理整頓して、グラフィックに落とし込み、わかりやすく伝えるものです。
限られた時間・シーンで情報を伝えるプレゼンテーションと目的が同じなので、インフォグラフィック・デザイナーがプレゼンテーション制作に関わるのは合理的です。

と言っても、プレゼンテーターが使うためのプレゼンテーション・スライド制作ではなく、配布・配信用途が今のところ中心です。

たとえば、アニュアルレポート(関係者に対して活動内容を伝えるレポート)の類です。

NFLチーム Webサイト レポート資料 2

インフォグラフィック 棒グラフ
image by Column Five

僕がデザインしたものだと、Webメディアの媒体資料も該当します。

参考: TechCrunch媒体資料をデザイン

これまでテキストや、Excelで作った簡単なグラフで構成されていた資料を、ストーリーを組み立て直して、デザインを施し、情報を正確に伝えるだけではなく、興味をひくようにします。

いま挙げたプレゼンテーション資料事例は、紙での配布、PDFでの配信が想定されます。

オンライン・スライドへ展開

つづいて、もう少し広がりのある話をしましょう。

インフォグラフィック・デザインの専門集団「Column Five」は、SlideShareでの公開を前提としたプレゼンテーション・スライドの制作も行っています。

デザイン表現は、一枚絵インフォグラフィックに近いですが、ページごとに情報が区切られるので、つぎのメリットがあります。

・一度に目に入る情報(グラフィック)がほどよい量になる
・情報を見せたい順番でストーリー立てて伝えやすい
・コンテンツ・スペースが一枚絵インフォグラフィックほど必要としない
・SlideShareで公開すると、シェアしやすく、埋め込みサイズも融通がきく
・最後のページに「Download Now」などリンクを用意すると、アクションにつながりやすい

インフォグラフィック・デザイナーの活躍

インフォグラフィックのアウトプット形態は他に、モーション・インフォグラフィック、ユーザーが操作できるインタラクティブ・インフォグラフィックが挙げられます。

参考: Webデザインとしてのインフォグラフィック

インフォグラフィックの思想にのっとったコンテンツを制作する際、一枚絵にする、動画にする、スライドにする、サイトにする、といったクリエイティブワークの前に共通するのが、情報の整理整頓やストーリーテリングです。
それには「解析能力」や「編集能力」を必要とします。

インフォグラフィックの考え方を身につけられれば、「Column Five」のように専門的な立場から幅広い展開ができるようになります。

拙著『たのしいインフォグラフィック入門』のサポートサイトでは「世界のインフォグラフィック・デザイナー」コーナーを設け、インフォグラフィックやデータ・ビジュアライゼーションを専門としているデザイナー/スタジオの情報を集めています。

たのしいインフォグラフィック入門 サポートサイト

調査をしていくと、多くのインフォグラフィック専門スタジオがあることに驚きます。

海外では、グラフィック・デザイナー、動画クリエイター、Webデザイナーでもない、データ・情報のデザインに特化した存在が認められているということです。

日本の状況が、海外とまったく同じになるとは言いませんが、情報が飽和していて、誰もが「伝え方」に苦心している中で、インフォグラフィック・デザインのニーズは高まることはあっても、減ることはありません。

今回紹介した「Column Five」は商業インフォグラフィックの旗手で、創業者たちの著書『ビジュアル・ストーリーテリング – インフォグラフィックが切り拓くビジネスコミュニケーションの未来』もおすすめです。

プロフィール

櫻田潤
櫻田 潤(さくらだ・じゅん)

プログラマー、システムエンジニア、ウェブデザイナーを経て、2010年よりビジュアルシンキングを運営。あわせて、インフォグラフィックのデザインも始める。2014年、NewsPicksにインフォグラフィック・エディターとして参画。ビジュアルを用いた記事を多数、執筆デザイン。2017年よりNewsPicksのクリエイティブを統括。著書に『たのしい インフォグラフィック入門』『シンプル・ビジュアル・プレゼンテーション』