プラットフォーム化へ、デジタルメディアの旗手「Quartz」

Quartzは2012年の創刊以来、テクノロジーと編集を組み合わせて、独自の戦略をとってきました。

記事の文字数

たとえば記事の文字数に関して「Quartz Curve」と呼ばれるガイドをつくり、モバイル、ソーシャルに適した500文字以下または800文字以上を編集方針としました。

Quartzカーブ
Jamie Labate(Quartz)2015年プレゼンテーションより

メールマガジン

メールマガジン「Quartz Daily Brief」は毎朝送信で、15.8万人以上が登録、開封率48%と発表しています(2015年10月時点)。

Quartzメルマガ
Jamie Labate(Quartz)2015年プレゼンテーションより

サイト上でもメールマガジン登録動線を大きくとっています。

Quartzメルマガ 動線

チャットUIのアプリ

新しいことに積極的で、今年2月にリリースしたアプリはニュースメディアでは先駆けとなるチャット(対話)UI採用でした。

ニュース チャット Quartz アプリ 1

チャットの途中には広告も流れてきます。

ニュース チャット Quartz アプリ 2

Facebookが4月、チャットボットを発表した際、WSJがそれに乗っかりましたが、Quartzはそれよりも2ヶ月前に独自アプリでこの形式をとっていました。

wsj チャットボット facebook

(WSJはFacebookのAIテクノロジーを用いた自由対話形式で、Quartzの技術背景は不明。いずれにせよ、ニュースのUIにチャット型をいち早く選んだ点が革新的だった)

チャート(グラフ)

Quartzの記事の特徴になっているのがチャートの多用です。モバイルでも見やすいようにシンプルで、色は水色・紫に統一。

チャートビルダーをオープンソース化したほか、Quartzの記事で使用したチャートを検索できるサービス「Atlas」を昨年リリースしました。

Quartz Atlas チャート 1

たとえば「Uniqlo」と検索すると、ユニクロに関するチャートが一覧表示されます。各チャートは埋め込みやシェアが可能。

Quartz Atlas チャート 2

本日発表があったのは、この「Atlas」に関するものでした。

Atlasプラットフォームのオープン化

Quartz Atlas チャート 3

これまではQuartzが作成したチャートしか「Atlas」に掲載されていませんでしたが、誰でもチャートを作成・掲載できるようにオープン化しました。
Atlas is now an open platform for everyone’s charts and data

アカウントを作ると、マイページが開設されます。

Quzrtz Atlas アカウントページ

「Atlas」はGEがスポンサーしており、検索窓の下にロゴ表記があるだけではなく、GEアカウントページが設けられています。

Quartz Atlas チャート 1

Quartz Atlas チャート GE スポンサー

Atlasプラットフォームの利用者とコンテンツが増えれば、スポンサー広告の価値もあがります。

コンテンツ流通

Quartzのデジタル・ディレクターJamie Labate氏のプレゼンテーションには、2012年と2016年の流通体制の違いがつぎのように示されていました。

Quartz 戦略 2012

Quartz 戦略 2016

カバーする範囲が増え、コンテンツ流通への意欲が伺えます(「Apps」のところに「Smartnews」も!)。

Quartzのアプリやプラットフォーム開発の動きから、テクノロジーと編集が深く結びついている様子がうかがえます。

プロフィール

櫻田潤
櫻田 潤(さくらだ・じゅん)

プログラマー、システムエンジニア、ウェブデザイナーを経て、2010年よりビジュアルシンキングを運営。あわせて、インフォグラフィックのデザインも始める。2014年、NewsPicksにインフォグラフィック・エディターとして参画。ビジュアルを用いた記事を多数、執筆デザイン。2017年よりNewsPicksの全体クリエイティブを統括。著書に『たのしい インフォグラフィック入門』『シンプル・ビジュアル・プレゼンテーション』