海外メディアは米大統領選をどうビジュアルで伝えたか

各デジタルメディアが注力した米大統領選速報、ライブ感と総合的な見せ方が重視されていました。

アメリカ大統領選 FiveThirty Eight

ライブ感と言えばSNSでしたが、各メディアのサイト上でリアルタイムにビジュアライズされるようになり、テレビの選挙速報に近づいた印象を受けました(表現そのものというよりは、伝えられるものの総量が)。

8メディア比較

以下、8メディアの大統領選速報ページを見比べてみます。
New York Times
FiveThirtyEight
Wall Street Journal
Financial Times
Guardian
Huffington Post
BBC
CNN

ファーストビューの構成はどこも同じ。冒頭にどちらが優勢か、一目でわかるバロメーターがあって、その下にアメリカ地図。

アメリカ大統領選 ビジュアライゼーション 1

つづいて全体を並べてみます。情勢バロメーター、アメリカ地図の下には詳しい情報が並びます(そこが各社の差別化要素に)。

アメリカ大統領選 ビジュアライゼーション 2

New York Timesは2012年大統領選のページが残っていたので見てみると、上部のタブで情報を切り替える形をとっていました。

NYT事例(2012年)

アメリカ大統領選 ビジュアライゼーション 3

今回のような、一画面に多くの情報を盛り込み、縦スクロールで全体を見てもらうスタイルは、モバイルを意識した表現になっています。

アメリカ大統領選 ビジュアライゼーション 4

特徴的だと思った表現

8つのメディアの中で一番特徴的だと感じたのは、CNNの地図表現です。他が、リアルな地図描写をしていたり、州ごとの票獲得数をサイズで表現しているなかで、どちらも捨てたシンプルな表現をしていました。

アメリカ大統領選 CNN

もちろん細かい動向が必要な人にとっては物足りないかもしれませんが、アメリカ全体の情勢を捉えるには碁盤のようなCNNの表現が適していると思いました。

表現のリアリティよりも、絞った目的にフォーカスしている点が、地下鉄路線図のデザインと同じ発想です。
参照記事:インフォグラフィックの真髄。Harry Beck氏の路線図デザイン

おわりに

デジタルにおける選挙速報の表現の型はある程度完成した上で、進むモバイルシフトが潮流でした。4年後はまた別のテクノロジーのトレンドに合わせた表現が広がっていそうです。

プロフィール

櫻田潤
櫻田 潤(さくらだ・じゅん)

プログラマー、システムエンジニア、ウェブデザイナーを経て、2010年よりビジュアルシンキングを運営。あわせて、インフォグラフィックのデザインも始める。2014年、NewsPicksにインフォグラフィック・エディターとして参画。ビジュアルを用いた記事を多数、執筆デザイン。2017年よりNewsPicksのクリエイティブを統括。著書に『たのしい インフォグラフィック入門』『図で考える。シンプルになる。』ほか。