“インフォ”グラフィックと“普通の”グラフィックの違い

インフォグラフィック活用のニーズの高まりに対して、作り手が少ないのが現状です。その一員は、“普通の”グラフィックと“インフォ”グラフィックの違いがあまり意識されることがないからだと思います。

広告やパンフレットで用いられるグラフィックも、なにかしらの情報を伝えています。にも関わらず、それらはわざわざ“インフォ”グラフィックとは呼ばれません。この違いは何でしょうか?

あえ“インフォ”と掲げるのはなぜか?

インフォグラフィックを作ったり、活用する際には、つぎの3つのことを念頭に置くとよいでしょう。

(1)情報自体に高い価値があること
前回、インフォグラフィックの例として挙げた路線図や家具の組み立て説明書は、鉄道会社や家具会社の宣伝コピーが並ぶものではありません。ユーザーにとって必要で、便利な情報がビジュアルを使って簡潔にまとめられたものです。

インフォグラフィックとグラフィックの違い 1

一方、広告やパンフレットは情報発信側が言いたいことをダイジェストにしたものが多く、ユーザーが本当に必要な情報が省かれていることもあります。

インフォグラフィックとグラフィックの違い 2

「企業・ブランドなど(発信者)が言いたいこと」を伝えるのに用いるのではなく、「ユーザー(受信者)が知りたいこと」を中心にした情報設計を行うのがポイントです。インフォグラフィックは、ユーザーにとって価値ある情報を継続的に届けることによって、発信者に対する信頼やロイヤリティを高めるものです。

(2)物事の関係性が正しく伝えられていること
情報をグラフィックで表現する際、気を配ることのひとつが、重要度や関係性の見せ方です。
大きく描いた情報は、小さく描いた情報よりも重要に見えます。

インフォグラフィックとは 1

目立つ色で描かれた情報は、モノクロで描いた情報よりも重要に見えます。

インフォグラフィックとは 2

また、線で結ばれた情報や、近くに配置された情報は関係があるように見えます。

インフォグラフィックとは 4

インフォグラフィックとは 3

このように、グラフィックは物事の関係を明確に映し出すことができるため、間違ったものを強調することも簡単にできてしまいます。インフォグラフィックは倫理観のもと、制作・活用されなくてはなりません。

(3)最小限の要素で表現されていること
よくあるインフォグラフィックの失敗は、目を引くものにしようと奇をてらって、過剰な装飾をしまうケースです。
伝えたい情報以上のことを盛りつけすると、それがノイズとなり、本来伝えるべき内容が埋もれてしまいます。

インフォグラフィックとは 5

「価値のある情報を正しく伝える」を原点に、過剰なグラフィックは避け、最小限に留めているのがよいインフォグラフィックです。

加えて、過剰な装飾以外にも注意することがあります。それは、言葉で伝えた方がわかりやすいことを無理にグラフィック化しないことです。
文字要素は少ない方が優れたインフォグラフィックですが、グラフィックによって間違った解釈を生むような場合は、文字要素を残す判断も必要です。
文字とビジュアルは、漫画くらいのバランスを目指すと丁度いいでしょう。

まとめ

インフォグラフィックの3要件
(1)グラフィック化の対象である情報自体に高い価値があること
(2)グラフィックによって、物事の関係性が正しく伝えていること
(3)目立つためのグラフィックを目的にしないで最小限の要素で表現すること

たのしいインフォグラフィック入門
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インフォグラフィック概論目次

No. 内容
01 インフォグラフィックとは
02 “インフォ”グラフィックと”普通の”グラフィックの違い
03 インフォグラフィックの作り方
04 誰がインフォグラフィックを作るのか
05 ベスト・インフォグラフィック
06 インフォグラフィック制作の参考書まとめ