豊富な品揃えは選択を難しくする。商品選びをわかりやすくする4つのテクニック

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たくさんの品揃えは売上に結びつくのか?『選択の科学』著者のシーナ・アイエンガー教授は過剰な選択肢は悪影響をおよぼす場合があると指摘する。

TED インフォグラフィック シーナ・アイエンガー

エディターズ・レター

たくさんの選択肢を前に、違いがよくわからず、選ぶのをやめてしまった経験が僕にもある。「過剰な選択肢」はストレスになる。だが、その反対で、豊富な選択肢を前に満足を感じた経験がないわけではない。

たとえば代官山蔦屋書店がそれだ。あそこに行くと、愉しい気分になる。また訪れよう、という気になる。と言って、行く度に必ずなにかを購入するかと言うと、そうとも限らない。テーマパークのように、その場に足を踏み入れただけで、充分に愉しめるのだ。

愉しみの理由は、質を感じさせる豊富な商品との出会いだ。いや、正確に言うならば、たくさんの商品との「出会い方」と言った方が良いのかもしれない。

代官山蔦屋書店は、三棟から成っている。僕はそのうちのデザイン・コーナーがある2号館から店内に入ることが多い。デザイン書をひとしきり見た後は、建物中央の雑誌コーナーへと辿り着く。雑誌コーナーは三棟すべてにまたがっていて、「MAGAZINE STREET」と名づけられている。雑誌をふらりと眺めているうちに、1号館から3号館を行き来している。気がつけば、デザイン以外のコーナーにも足を運んでいる。本だけではない、音楽、映画にも気持ちが向く。建物の動線設計がそうさせているのだろう。

これが売上に直結しているかはわからない(実際、僕自身、なにも買わないことも多いのだから)。でも、ソーシャル・ネットワークを通じて、そこへ来たことや、そこの魅力を頼まれてもいないのに、広めている。アイエンガー教授が実験を行った1995年と比べて、この点の状況は違う。

まぁ、売上以外の効果を評価するにしても、結局のところ、選択肢を魅力的に提示できてこそのことなのだから、そのために必要な努力は変わらない。

「豊富な選択肢」で成功するのに、コストがかかるのは間違いない。代官山蔦屋書店では、動線設計にこだわっている。コンシェルジュを配置したり、タブレット端末を充実させている。

たくさんの選択肢を「過剰」と感じさせない工夫、それができないのであれば、一転、選択肢を減らすという道が考えられる。

1996年、アップルに復帰したスティーブ・ジョブズは、40種類以上あった商品を大きく4種類に絞ったそうだ(『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』より)。

選択肢のカットはコスト削減と売上増につながる。アイエンガー教授の調査はそれを示している。でも、誰もが選択肢の絞り込みを実行できるものでもない。覚悟を伴うことだ。

選択肢を絞るのも、資源を投じて豊富な選択肢を魅力的にみせるのも、どちらにしても覚悟が必要だ。
「選択肢が多いのはよいことだ」「いや、選択肢は少ない方がいいのだ」と上辺で右往左往しているうちは、とても到達できまい。

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