僕が『図で考える。シンプルになる。』を書いた理由

みなさん、こんにちは。当サイト「ビジュアルシンキング」を運営している櫻田潤です。3冊目になる単著『図で考える。シンプルになる。』を上梓しました。

図で考える。シンプルになる。 櫻田潤

図解に関する本は、書店にいけば山ほどあります。本のジャンルで言えば、レッドオーシャン中のレッドオーシャン。

正直、出版社の方から図解本を書かないかとお話を頂いた時、気乗りしませんでした。すでに語り尽くされていそうな領域に、わざわざ新しい本を投入する必要があるのか、自分にしか書けないことがあるのか。

結果として、編集者の方の熱意に負けて、書くと決めたのですが、企画スタートから完成まで1年以上かかってしまいました。

この本を世に届けることで、なにを実現したいのか?

そのことについてここで語ります。

共通言語を広めたい

僕が「ビジュアルシンキング」を立ち上げたのが2010年になります。

プログラマー、デザイナー、マーケターと、いろんな職種を経験する中で、ビジネス畑の人とクリエイティブ畑の人、ロジカルな発想とエモーショナルな発想、そういったものがもっと混ざっていくことで豊かになると思い、「ビジュアル」と「シンキング」を組み合わせた屋号で活動をスタートしました。

ビジュアルシンキング

職種や年代、異なる文化が混ざり合っていくには、共通言語が欠かせません。特に専門職との会話だと、同じ日本語同士なのに「言葉が通じない」ということが日常的に起こります。

そんな状況をしばしば目にする中で、なにかいい共通言語はないかと考えるようになり、やがて、いろんな職種、文化間をつなぐ共通言語には「図」がちょうどいいんじゃないかと思うようになりました。論理的でいて適度に直感的。デザインソフトを使わなくても、手書きやPowerPointで十分。こうしたバランスがとてもいい。

よくある誤解

図がおもしろいのは、思考ツールであり、コミュニケーションのツール(プレゼンツール)でもある点です。

図解 思考ツール プレゼンツール

2つのツールの組み合わせであることが図の利点。けれどもプレゼン流行りで、図に対して、プレゼンツールとして見る傾向が強まっているように感じます。そのため、フォントはどれがいいか、色はどうしたらいいか、レイアウトはどうするか、といった図の見た目に関するTIPS話が好まれます。

それをわかりつつ、今回書いた本では、あえて思考ツールの側面に重点を置きました。

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以下は、書籍の「おわりに」に書いた内容の抜粋です。

本書の根幹にあるコンセプトは明確です。

「図は、プレゼンツールである前に、思考ツールである」

図を使って考える、そうしてシンプルになった思考を伝えれば、おのずと伝わる。フォントや色といったお化粧は、それをすればよりよくなるというプラスαの話で、本質的ではありません。にもかかわらず、そういったお化粧テクニックを求めてしまうのはなぜか。それは、人間でいえば内面を磨くような話が、図解本では大きく語られてこなかったからだと思い当たりました。

本書は、図の中身、いわば思考そのものを磨きあげるためのトレーニングブックです。なぜ、お化粧テクニック以上に、思考法を身につけるほうが大事なのか。皆さんも次のような経験をしたことはありませんか?

プレゼンソフトで作られた綺麗な図。グラデーションによる美しいカラーリング。でも、頭にスッと入ってこない。

一方、会議中に同僚がホワイトボードにさっと書いた手書きの図。色は黒だけ。手書きなので線もまっすぐではありません。でも、頭に入ってくる。

大事なのは、見た目よりも中身であることがわかります。もちろん、見た目がいいに越したことはないのですが、中身がないまま見た目を飾っても、伝わるものにはなりません。

このコンセプトのもと、図を使った思考プロセスを、練習問題や答え合わせを通じて学べるトレーニングブック仕立てに仕上げました。

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以下は、その準備運動編と応用編のイメージです。まずはとっつきやすい内容でプロセスを体験してもらい、徐々にステップアップしていく構成になっています。

準備運動編

図で考える。シンプルになる。 準備運動1

図で考える。シンプルになる。 準備運動2

応用編

図で考える。シンプルになる。 応用編1

図で考える。シンプルになる。 応用編2

本書では、学ぶ対象をよく使う7つの図に絞り、その分それぞれの解説をくわしく行いました。また、「読んでわかった気になって終わり」とならないように、読んだ後に自分で継続学習するためのヒントも用意しています。

書籍の目次は以下の通りです。

目次

図で考える。シンプルになる。 目次1

図で考える。シンプルになる。 目次2

図で考える。シンプルになる。 目次3

ぜひ、手にとってみてください。

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プロフィール

櫻田潤
櫻田 潤(さくらだ・じゅん)

プログラマー、システムエンジニア、ウェブデザイナーを経て、2010年よりビジュアルシンキングを運営。あわせて、インフォグラフィックのデザインも始める。2014年、NewsPicksにインフォグラフィック・エディターとして参画。ビジュアルを用いた記事を多数、執筆デザイン。2017年よりNewsPicksのクリエイティブを統括。著書に『たのしい インフォグラフィック入門』『図で考える。シンプルになる。』ほか。